求人情報によくある「アットホームな職場です」という定型文。
一見良いように見えますが、今では地雷案件とまで言われることがあります。なぜアットホームな職場という求人情報が地雷呼ばわりされるのでしょうか。
職探しで気を付けたい、アットホームの裏の意味をご紹介します。
目次
アットホームな職場はなぜ評判が悪いの?地雷の理由
職場というのは一つの社会で、疑似的な家族のようなものです。
転職というのはその疑似家族のもとへ養子に入ると考えると良いでしょう。
突然ですが、あなたはアットホームな、身内で完結した家族のもとに急に入って上手く溶け込める自信はあるでしょうか。よほどコミュニケーションに自信がなければ相当に厳しいと思うでしょう。
伝手もないのに田舎に突然移住して、地元の人々とうまく交流できるか、と仮定しても良いかもしれません。よほどあなたに素晴らしい技術があり、三顧の礼で迎えられたというなら別ですが、そうでもなければのけ者にされるのがオチです。
アットホームな職場だからこそ、あなたがその輪に入るのは相当に大変です。アットホームな職場が地雷と言われる理由の一つです。
アットホームな職場で馴染む労力は半端ない
アットホームな職場というくらいなので、(その求人情報が嘘を付いていなければ)職場の人間関係は悪くないのでしょう。うまくバランスが取れている職場と言えます。
しかし、あなたという新人が入るだけで職場のバランスが変わります。アットホームと呼べるほどバランスが取れていた職場でも、あなたが加わることでバランスが崩れるかもしれません。
アットホームな職場であっても地雷案件になりかねないのは、これが理由です。仕事に慣れる、というハードルが非常に高く、煩雑な作業が多すぎます。
それならドライでいいから心地よく仕事ができる環境のほうが、ずっとマシです。転職する際は気を付けたいですね。
濃い人間関係に慣れている人は危険!アットホームが良いとは限らない
アットホームな職場の危険性は、濃い人間関係です。
その職場の先輩たちが全員良い方であっても距離感は大事です。程々の距離感なら良い関係を築けても、距離が近すぎるとアラが目立って衝突する可能性があります。
円満な家族であっても時には喧嘩をしたり、対立したりすることもあるでしょう。家族ならまだ仲良くなるきっかけを作るのも難しくありませんが、職場の人同士だと対立はしても仲良くなるきっかけを作るのは難しくなります。職場なら「いざとなれば逃げ出せば良い」からです。
その職場の人が良い人ばかりでも、ちょっとした対立が原因で馴染めなくなり退職せざるを得なくなる、そんなリスクがあります。
アットホームは理想の環境?
会社側が地雷ワードであることを知らずに、本当に職場環境が良いのでアットホームな職場と紹介することもあります。
それであっても、よほどコミュニケーションに自信がなければ避けたほうが良いでしょう。面接で確認して、よほど雰囲気も条件も良い場合以外は避けたい就職先です。
アットホームであることが仕事をする上で良いとは限りません。悪口や誹謗中傷が蔓延る険悪な職場で働くのも問題ですが、従業員と距離が近すぎる職場も問題です。
多くの働く方にとっては適度な距離感があり、正当に仕事が評価されるのが「現代人にとっての」良い職場ではないでしょうか。
親族経営が多いのも特徴。ブラック企業の可能性があります
「アットホームな職場です」というワードは少人数の会社が使いたがる傾向があります。
少人数の会社は親族経営なことも多く、他の会社に比べてアットホームになりがちです。
親族経営は優秀な方が社長の間は問題が起こりにくいのですが、親族に代替わりした後に問題を起こしやすい傾向があります。親族というだけの理由で経営が苦手な人が社長になる・・・企業社会という戦場でこれだけ心許ないトップはいないでしょう。
社員が傭兵だとすると、戦い慣れした頼りがいのある主人を選ばないと命に関わります。命が無事でも心身を壊す危険も跳ね上がります。
仕事は戦場、素人社長の泥船は避けたい
職場も他社との競争があるという点では戦場と変わりません。経営が分からない社長のもとでは無茶な案件ばかり引き受けて職場がブラック化したり、社長が横暴になってパワハラをしたりする危険があります。他人同士なら行儀が良くても身内だと遠慮しない人は多いのです。
アットホームな関係こそセクハラやパワハラの温床になりかねません。べたべたした関係は苦手、というだけではなくデメリットが多いことを心に留めましょう。
この職場は合わないと思っても、アットホームな環境だと切り出しにくく、長い間拘束されるおそれもあります。転職という点でもアットホームな職場はデメリットになりかねません。
少人数で使いつぶされる危険性も…今よりひどい職場の可能性が
アットホームな職場は人間関係が濃すぎてしんどい傾向があります。
それ以上に問題なのは少人数の零細企業や零細部署が多いところです。少人数で辛い環境なら、仕事を乗り切るためにはアットホームにならざるを得ません。
日本でも人材の流動化が激しくなり、転職は珍しいことではなくなりました。転職が自由な環境はブラック企業を潰し、正常な労働環境を作る原動力です。
ところがアットホームな職場だと、給与や待遇以外の面で縛られることになりかねません。「情に訴える」というのは給与や待遇より上に来ることもあります。
もし、あなたの職場で給料の支払いが滞っているとします。通常は労基に訴えるところですが、社長に泣きつかれてもう少し待ってくれと言われたらどうでしょうか。
普段良くしてくれる社長なら、食うや食わずの環境でもなければ支払いを待つ方も少なくないのではないでしょうか。客観的に見れば誰が見てもブラック企業なのに、職場環境や上司、社長が良い人なばかりに情に引きずられてしまう可能性もあります。
辛いと思っても逃げだしにくい、甘い蟻地獄
アットホームな職場は少数で回すことが多いので、新しい社員の導入を渋られ、募集をかけても人が来ないことも少なくありません。
そうなれば仕事に余裕がなくなり、残業や休日出勤などが増えるおそれがあります。これで職場環境も悪ければ止めてやる、労基に訴えてやる、と踏ん切りが付きますが、アットホームな職場だとなかなか難しいのではないでしょうか。
今はワークライフバランスの重要性が重視される時代です。アットホームな職場は戦後復興期や高度経済成長の時代は理想的な環境だったと思いますし、労働者を第一に働く経営者もたくさんいました。職場は家族、という時代もありました。
しかしそれは良いことばかりではありません。家族だからこそ、アットホームな組織だからこそ逃げられない、経営が辛いときも無理矢理乗り切るしかないという「甘い蟻地獄」という側面もありました。賞与の代わりに自社商材の銅の塊で支給されたり、空前絶後の不景気でもクビにならない代わりに商品を売るまで帰って来るなと無茶を言われたり、一流企業でもかなり無謀なことをやっていたのです。
時代は変わった、今は自分を大事にする時代
アットホームな職場、疑似家族のような企業を築いてきたから一丸になって働き、日本の戦後復興が十数年で達成したのは事実です。失業のリスクに怯えずに暮らしていけるのは労働者にとっても理想の環境でした。
しかし現在、そのような労働環境はもうありません。世知辛い時代かもしれませんが、その代わりに自分を大事にできる時代になりました。
労働条件を無視してバリバリ働いて稼ぐならアットホームな職場も良いかもしれません。しかし自分の生活を第一にしたいなら避けたい環境です。
人間関係が濃すぎていじめが起きやすい傾向も。要警戒です
たとえ良い人ばかりでも、人間関係が近すぎるとアラが見えてくるものです。アットホームな職場では人間関係の摩擦が激しくなり、いじめに発展することも珍しくありません。
アットホームな職場なんて嘘だ、という声もありますし実際にただのブラック企業なのにアットホームなどと嘘を付いている企業もたくさんあります。しかし看板に偽りがない企業であっても、人間関係のリスクはより高くなるのは事実です。
今どきの思考の方にとって、アットホームな職場は悪い意味で田舎っぽくて嫌いという方のほうが多いでしょう。みんなで仲良く、一丸となって働くというのも昭和の時代で終わった概念かもしれません。
昔は手作業が多く、多くの人が力を合わせて作業しなければ仕事が成り立ちませんでした。表も文章も手書きだなんて想像もできないでしょう。
しかし現在はパソコンが普及し、何十人もの人がやっていた仕事が一人二人で出来るようになりました。
こんな時代には自立した人材が求められます。一人でもある程度いろんな作業をこなせる人材にとってアットホームな職場というのは、メリットよりもデメリットのほうが多い危険性があります。
もしあなたが「休日はしっかり休みたい」「多くは求めないけど、給料はきちんと支払ってほしい」と願うなら、アットホームな職場はなるべく避けましょう。
結局のところ、あなたの我慢に掛かっている。そんな嫌な現実を変えられるのはあなたの行動次第
常に「よりストレスのない環境を探す」というのは、人間らしい生活を送る上でとても大切です。
仕事は自分に合う環境かどうかが全てですので、あまり無理することなく、ストレスの少ない会社で働いた方が幸せですよと伝えたいです。
仕事のストレスで苦しんでいる状態で働き続けて、うつ病にでもなってしまったら人生が壊れます。
私はうつ病になって休職期間中に始めた転職活動で幸運にもホワイト企業に転職が決まり、今では年収128万UP、年間休日126日の会社で心穏やかに生活できています。
今の環境が辛いなら、私がホワイト企業への転職に成功したときの話を読んでみてください。
転職後わずか数ヶ月で退職して、元の会社に出戻りした不利な経歴があった僕ですら、この方法で転職が上手くいったので、あなただって上手くいくはずです。
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