事務職の仕事は昔とずいぶん様変わりしました。
まだパソコンが普及していない時代、収支報告書など重要な書類はすべて手書きでまとめて計算していました。パソコンが普及していない時代は印字できるワープロが主流でしたが、ワープロすらない時代には書類はすべて手書きでした。
今では想像できませんが、ちょっとした書類もすべて万年筆やペンで仕上げていたのです。
この時代に比べたら、事務職を含めたホワイトカラーの仕事は格段に効率的になりました。
これからも仕事の内容は変化していくでしょう。しかしそれは変化であり衰退でも消滅でもありません。事務職という仕事は会社というシステムがある限り、決して潰れません。
目次
自動化が進む事務職の仕事。以前からの仕事は減りつつあります
事務職に将来性はあるのでしょうか?
かつては事務職の重要な仕事の一つ、勤怠管理などは自動化が進んでいます。大企業を中心に、手書きから勤労者が各個人で入力するようにシステムが変わりつつあります。
もし入力ミスがあれば、入力の課程で弾かれて入力することができません。システムが不完全でミスがそのまま通ったり、逆に正しく入力しているのに弾かれたりすることも度々ありますが、事務職の仕事は「作成」から「チェック・管理」に移行しつつあります。
事務職は管理業・サービス業にシフトする?!
昭和の時代、事務職の女性の仕事といえば書類作成が代表格でした。朝から晩まで部内から回ってくる下書きをもとに清書し、外部に出す資料や会議用資料、正式に保管する資料に回されました。
手書きはとても効率が悪く、手で書くので個人差も激しいのが特徴でした。それに代わったのがワープロです。
ワープロの普及で事務職員の負担は大きく軽減し、書類作成の効率がとても上がりました。さらにパソコンの普及で計算もエクセルなどの表計算ソフトを使い、表作成が格段にラクになりました。
しかし、よく見ると「資料作成」という仕事そのものは何も変わらないことが分かります。
資料作成が簡単になり、事務職に依頼せずに各自で作る機会は増えたと思います。しかし資料作成という仕事が減ることはなく、むしろ増えているのではないでしょうか。誰でも手軽に作れるだけ数は増えています。
そして現在、必要最低限の人数で仕事を回す職場が大半です。目の前の仕事に必死で資料作成まで手が回らない社員は無数にいます。
その仕事は誰が請け負うのでしょうか。一番身近な、細々した仕事を依頼しやすい事務職の方が真っ先に請け負うでしょう。
請負業者に任せるのも選択肢ですが、それを好まれない理由
たしかに専門の外部サービスに依頼することもできますが、よほど大量の発注がなければ躊躇する会社がほとんどでしょう。
外部に発注するなら、ある程度きちんと資料を提示しなければいけません。機密書類だと情報漏洩のリスクもあります。外部業者に依頼するというのは面倒で問題が起こりやすいのです。
気軽に情報が漏れる心配のない身内の事務職に依頼できる、というのは会社を守るためにも欠かせない要素です。
AIは事務職を潰す?潰すのではなく変化を促します
今は人工知能AIの研究が盛んです。様々な言語アルゴリズムを計算し、的確に表現する技術が完成しつつあります。これが完成した日には多くの業種が成り立たなくなり、潰れてしまうと言われています。
その煽りで事務職もなくなるという話もありますが、本当に事務職はAIに駆逐されてしまうのでしょうか?
事務職の中でも煩雑な作業、たとえば単純作業のチェック機能や計算、文章作成などの仕事は減るかもしれません。しかし計算はともかく、本当に人間と同じような表現が実現するでしょうか。
お掃除ロボットの不完全さ
この5年で普及した家電でお掃除ロボットがあります。部屋をくまなく周り、最適なルートを自動計算して掃除して充電まで自分で行う、優れた家電です。現在いちばん普及したAI家電の一つでしょう。
では、お掃除ロボットの普及で掃除機は滅びたでしょうか?
家電量販店を見れば、滅びたどころかますます数が増えているのは一目瞭然です。世の中にはお掃除ロボットを使えるほど部屋が綺麗でない家庭もあれば、お掃除ロボットに任せにくい場所もあります。
少し前に新幹線の清掃などで話題になったマキタの充電式掃除機が人気になりましたが、お掃除ロボットがやり残した部分、掃除が難しい場所は充電式掃除機やワイパーなどで掃除する家庭のほうが多いのではないでしょうか。
以前の仕事は減り、新たな仕事が増える
事務職とAIの関係も同じです。
AIは確かに優れた力を発揮しますが、それは煩わしい作業から解放すると同時に「AIの補完作業」の割合が増える方向にシフトするでしょう。
答えが1つしかない計算は機械の得意分野です。正確なデータがあれば正確な答えを返すでしょう。しかし揺らぎが大きな文章はどうでしょうか。
自動音声も改善が進み自然になりつつありますが、現在でもイントネーションには違和感はあります。AIが作る文章も、定型文のビジネスレター一つとっても違和感が出ないとは思えません。
機械翻訳も意味はなんとなく分かるけれど、とても不自然な文章になりがちです。これが旅行の旅先なら笑い話で済みますがビジネス書類だと大問題です。
文章作成を完全にAIに依存するには、長い年月がかかるでしょう。AIが事務職を奪うというのは当分起こりそうにもありません。
AIが作った不自然な文章を添削し、より自然でスムーズな文章に直す作業が増えることが予想されます。
AIでは出来ない仕事!事務職の必要性は臨機応変のサービス
とはいえ従来の事務職の仕事は減るのは間違いありません。手書きからワープロに移行したときも、おそらく少なからず事務職員の仕事量は減ったと思います。手書きとワープロでは作成スピードが桁違いだからです。
文章作成はこれから定型文に特定のワードを放り込んで、AIがそれらしい文章を自動作成する時代になるでしょう。
しかしAIはあくまでパソコンの延長線上に過ぎません。事務職はなにも文章作成だけではありません。ちょっとした作業の補佐を頼まれることはよくあります。
もしAIに任せたいなら適切なアルゴリズムを覚えさせないといけませんが、そんな面倒なことをするより事務職員にお願いしたほうがずっと手軽です。
上司世代になると時代の変化について行けずに、今までと同じ方法を取りたがります。(それでも効率化を優先させて強制的に変更を押しつけるのが会社ですが・・・)
事務職はサービス業。細かい仕事を拾っていく気持ちを持つ
「ちょっとした補佐」は馬鹿にできません。臨機応変にいろんな雑用に対処できるのは人間だけが持つ特性です。これをAIですべて再現するのは来世紀に入っても難しく、なにより人間はちょっとしたことを手助けしてもらうことに喜びを感じます。
AIが事務職を滅ぼすなどと言うのは数字しか頭にない人の妄言に過ぎません。確かに今と同じ仕事は減っていきますが、AI管理や補佐という新しい仕事が生まれます。
事務職はなくならない!必要とされる事務職の仕事とは
以上の理由で、事務職はなくならない仕事だと断言します。しかし事務職という仕事が変容していくことは間違いありません。
大事なのは時代の変容に対処するように努力を重ねることです。新しい技術が導入されたら必ず新しい仕事が増えます。その新しい仕事に対処できることが事務職を続ける大事な要素になるでしょう。
何より普段の仕事への対応が大事になります。
いきなりサポートや他の作業を依頼されてもイヤな顔をせず対処する、いつも笑って対処する、締め切りを守るなど日々の業務をきちんとこなせば、早々に切られることはないでしょう。
無理難題を押しつけられたら適正な態度でお断りすべきですが、そうでなければ過剰に負担にならない程度に引き受けたいところです。AIなど新技術の導入で事務職は雑用からサービス業に変容していくからです。
事務職の将来性が不安になるのは、今の職場でこれ以上スキルアップが望めないと理解しているから
自分の仕事の将来性に不安を感じるときは、職場に不満があるとき、そしてこれ以上の成長を望めないと感じてしまっているからです。
目の前の仕事に夢中になり吸収することがたくさんあるときは、将来に不安を抱くことはありません。
私自身もぼんやりと事務職に不安を感じた時期がありましたが、そのときに思い切って転職して環境を変える決断をしたこと、それが自分の新たな未来を作ってくれました。
事務職も職場が変われば求められるスキルも変わってきます。
一つの職場でしか事務職を経験してないと不安に感じることもありますが、2社3社と事務職を経験すると1社目の事務職スキル×2社目の事務職スキル×3社目の事務職スキルと能力が掛け算で上がっていきます。
能力や経験の向上はそのまま転職時の年収アップに直結することは言うまでもありません。私自身2社目から3社目への転職時に年収は大幅にアップして今に至ります。
今の仕事の将来性に不安を感じながら生きるのはとてもストレスが溜まり不健康です。
事務職の将来性に不安を抱いてるときは転職適齢期だと思って、是非チャレンジしてみてください。
結局のところ、あなたの我慢に掛かっている。そんな現実嫌じゃないですか?
常に「よりストレスのない環境を探す」というのは、人間らしい生活を送る上で大切です。
仕事は自分に合う環境かどうかが全てですので、あまり無理することなく、人並み以上の成果がでるところが自分の適正がある会社ですよと伝えたいです。
仕事のストレスで苦しんでいる状態で働き続けて、うつ病にでもなってしまったら人生が壊れます。
どんな理由であれ、あまりにストレスが多い職場では働く価値はないと思います。
僕はうつ病になって休職期間中に始めた転職活動で幸運にもホワイト企業に転職が決まり、今では心穏やかに生活できています。今の会社では気楽に働けているのに、社内でも評価されてこれが自分の適正に合う会社なんだなと感じてます。
今の環境が辛いなら、僕がホワイト企業への転職に成功したときの話を読んでみてください。
転職後わずか数ヶ月で退職して、元の会社に出戻りした不利な経歴があった僕ですら、この方法で転職が上手くいったので、あなただって上手くいくはずです。
コメントを残す